坂庭修 問わず語り

出がらしにだからこそできる役目や若い奴らに残せることがあるんじゃないか

万年筆の分解清掃

 万年筆が好きで毎日使っている。その中の1本、プラチナ万年筆の#3776が途中でインクが出なくなるようになってしまった。インクが出た分の空気がインクコンバーターに戻らないせいだと判断。洗う程度では解決しなかったので、分解の荒技。
 上の5個はコンバーター。下の5個が万年筆のパーツ。よく洗って乾燥させ、組み上げた。金ペン先の右にあるインク軸にはインクを通す溝、と空気を通す溝がつけられていてこれが0.1mm以下と細く、コピー用紙でも入らず掃除不可能だった(写真下左)。
 この万年筆は初任校で卒業生を出した時、保護者から頂いたもので、ネームまで彫ってくれた。当時1万円だったと思うが、ちゃんと金ペンでプラチナを代表する名品。3776は富士山の標高。日本一の万年筆なのだ。
 万年筆と呼べるようなものを手にしたのはこれが初めて。驚くべきはこのペンの誇るスリップシール構造。2年間は乾燥しない、とあるが、黒のインクカートリッジを入れて20年放っておいたこのペンが問題なく書けたのだ!すごいのである。これにパイロットのカラーインク「紫式部」を入れた(写真下右)。