坂庭修 問わず語り

出がらしにだからこそできる役目や若い奴らに残せることがあるんじゃないか

暑中お見舞い申し上げます その1 セミよ!

 猛暑が続く。新潟、東北では豪雨で被害が出ているとテレビニュースは報じている。  

 隣の家の塀にセミの抜け殻。たぶんアブラゼミのもの。わが家の庭にも以前は見ることができたが、最近はめっきり少なくなってしまった。それにしてもこの下はアスファルトの道路である。どこからのぼってきたのだろう。この塀の裏は土の庭になっているのでそこから回り込んできたのか?
 以前わが家の庭木で脱皮中のセミを見ていたことがある。セミの幼虫はなるべく高いところまで登って脱皮し、初めての飛行がうまくいく確率を高めている。しかし後戻りはできないので、最高到達地点の足場が悪ければ体をしっかり固定できず、もし脱皮途中で落下すれば命を落とす。
 このセミもここが塀の最高地点6本の足を塀の凹凸に引っかけてうまく脱皮し、飛び立てたのだろうか?時間がかかって夜が明けてしまえばカラスに狙われ、うまく飛び立てずに落ちれば猫の餌食かも知れない。
 何年もの間、土の中で自分を守ってくれた茶色の鎧だけがそれを知っている。