坂庭修 問わず語り

出がらしにだからこそできる役目や若い奴らに残せることがあるんじゃないか

日本一危険な歩道 ~黒部・下ノ廊下~

 

 職場でいただいた旅行土産の中に写真のような黒部峡谷のトロッコ電車の菓子があった。若かった頃、歩いて見たかったのが、この黒部峡谷・下ノ廊下である。

 同時期読んでいたのが真ん中の写真の本である。この本で紹介されている阿曽原温泉小屋は夏の短い間だけ組み立てられ営業する山小屋。その名の通り温泉の露天風呂があるが、日本一危険な歩道と言われている水辺歩道を何時間も歩かなくては行けな秘境である。
 右の写真のように垂直な岸壁に幅60センチほど穿かれたのが水平歩道である。下は数十メートル切れ落ちていて落ちれば命はない。「黒部にけが人なし」と言われるがそういうことである。
 これまで様々な山に登ってきたが、急激にバランス間隔が失われていることを感じる。つまずいて転倒することも増えた。転びそうになっても若い頃のように持ちこたえられないのだ。こんな状態ではとても怖くて下ノ廊下は歩けない。残念である。もうちょっと若い頃にトロッコ鉄道に乗ってこの道を歩きたかった。時すでに遅し。