坂庭修 問わず語り

出がらしにだからこそできる役目や若い奴らに残せることがあるんじゃないか

気になっていたこと その2

 陽が落ちて暗くなると「グエッ、グエッ」とどこからともなくカエルのような鳴き声が聞こえる。こんな住宅街にカエルがいるわけないなぁ、と不思議に思っていた。
 昨日も夜8時近くなって聞こえたので、「今日こそは確かめるぞ!」と声の主を探しにそっと玄関を出た。
 耳を澄ますと頭の上から聞こえる。見上げるとわが家の玄関ポーチの屋根の先に黒っぽい鳥が。じっと見ていたらそいつが鳴いているのがわかった。鳴くたび首が上下する。暗くてよく見えなかったがおそらくイソヒヨドリのメスだ。
 オスはわが家のそばの電柱のてっぺんや屋根でさえずっている。ここは南国のジャングルかというほどの美しく複雑なさえずりをする。ここ2年くらいはこのあたりを根城にしているようで、春に楽しませてくれる。さえずりには個体差があって、うまいオスは良く通る声で長く歌う。昔勤務した中学校に朝一番に行くと校舎のてっぺんの角にいてそれはそれは美しくさえずり、これを聞くのが楽しみだった。
 イソ(磯)とつくが今は街中にも多い。学校の校舎はちょうどいい高さで見通しも良いので好まれているらしい。
 オスはグレイがかった青とお腹がくすんだレンガ色ですぐ分かる。大きさはハトより少し小さいくらい。メスは黒と灰の極めて地味な羽根色で滅多に見ないが、昨日のはこのメスだったと思う。
 調べたら鳥の鳴き声には「さえずり」と「地鳴き」があり、このカエルのような声は後者なのであった。
 鳥はなかなか写真を撮るのが難しい。一度オスが近所の駐車場にいるのを見つけてスマホで撮ったのだがその画像が見つからず、pixabay様からフリー画像をお借りしました。
 いやー、またひとつ、気になっていたことが解決しました。